「リーサル問題」は撤廃するべき
1つ目の記事からかなり尖った言い方になってしまった気がする。
撤廃する必要も無いのだけど、それに正しく向き合っている人がどれだけいるのだろうという疑問はある(自分の考える「正しい向き合い方」が本当に正しいのかすら分からないのだけど)。
「リーサル問題」というものは全て時間制限ありの「最適解問題」にするべきだと思う。
そういう考えに至ったのは、遊戯王における有名人で今はMTGの舞台で活躍をしているJ-SPEEDさんのこの記事を読んだことがきっかけだ。
https://jspeed.hatenadiary.jp/entry/20110215/1297764950
前記事で自分が使うデッキリストをあげた上で、「このターンで出来る最も有効な手立てを考えて下さい。(倒しきらなくても構いません)」という投げかけが2つされるものだった。
結果的に2つの状況共に1ターンキルが成立するものだったが、それに気付いて1キルに向かうことが出来ましたか?そこまでにどれだけの時間を使いましたか?という問いかけがされる。
プレッシャーで満足のいくゲームが出来ないこともあるとは思うが、「最悪こうする」ぐらいの打ち手は固めておく、そのために日頃の調整でプレイの基盤を固めておく必要がある。
といった内容になっている。
ここでシャドバの話題に戻る。
遊戯王は、目安として1ターンの思考時間が3分と定められているが、あくまで「目安」に過ぎず、露骨な遅延行為をする選手以外はペナルティを課せられることはない。
しかし、シャドバには「90秒」という明確で絶対的な「時間制限」がある。
プレイヤーはこの時間の中で1ターンの全ての行動を終わらせる必要がある。
そして、先ほど話した「そこ(1キルに向かう)までにどれだけの時間を使いましたか?」という問いが遊戯王に比べて格段に重くのしかかってくる。
リーサルの手順を遂行するために60秒かかるのに、その手順を導き出すために40秒かかってしまっては、相手の体力を削りきることは出来ない。
そういった意味では、「最悪こうする」という打ち手を固めておく必要性もシャドバは高いといえるだろう。
さらに話を戻そう。
昨今のリーサル問題というのは明らかに「リーサルがありますよ」と明言されたものが大多数である。
しかし、実際の局面において、ゲーム側が「これリーサルですよ!」と教えてくれるはずはないのだ。
「この盤面でリーサルがあるだろうか」という検討から入り、それを確信(または予期)してから手を動かし始めるだろう。
しかし、「リーサル問題」にはこの「検討」というプロセスが省かれているといえる。
その問題を解いただけで、はたして実戦における経験値は稼げているのだろうか?
もし、リーサル問題で見た盤面と似ているが、別の過程でリーサルに辿り着くことが出来る盤面に遭遇した場合、はたしてリーサルに辿り着くことが出来るのだろうか?
また、リーサルが無い盤面に遭遇した場合、それを加味した上で最善の択を取って相手にターンを渡すことが出来るだろうか?
1ターンに90秒という時間制限が設けられている以上、「リーサル問題」という形式はバイアスをかけるものでしかないと考える。
その上で提案しているのが、時間制限ありの「最適解問題」である。
盤面や墓場の状況などを明記した上で、J-SPEEDさんの記事のように「このターンで出来る有効な手立てを考えて下さい。」と投げかけ、思考時間にリミットを設ける(プレイ時間を考慮して40~70秒ぐらい)。
もしリーサルがあっても「この問題にはリーサルがあります」とは言わず出題し、答え合わせになって「この問題はリーサルがあります」と明かし、リーサル手順を書く。
リーサルが無かった場合、「この問題にはリーサルがありません」と明かし、次のターンに考えられる相手の返しやトップの受けなどを考えた最善の択を書く。
これであれば、実戦を意識して問題に取り組むことができ、デッキの理解度を確かめることが出来ると考える。
以上の理由や提案が、「リーサル問題」は撤廃して、全て「最適解問題」とするべき、という自論の全てとなる。
余談ではあるのだが、「リーサル問題で見た盤面をしっかり覚えていて、実際の対戦でリーサル問題と同じ手順でリーサルを導き出せる場合において、思考時間数秒でリーサルに向かうことが出来る」人はリーサル問題を解いている意味がある人だと思う。
TLに流れてきたリーサル問題を解いて「よし、解けた!俺の勝ち!」で忘れてしまってはなんの意味も無い。
実際の対戦での思考時間のカット、プレイの引き出しの増加が実現出来ている人はリーサル問題の取り組み方がしっかりしている人なのだと思う。
-結論-
①シャドバは90秒という明確な時間制限がある
②90秒でリーサルの検討や盤面の構築を考える必要がある
③「リーサル」という情報は思考にバイアスがかかるため、省いた方が問題としての完成度が増す